ノーベル文学賞について・・

今さら、の話題ですが、
今年のノーベル文学賞は、個人的にはちょっと拍子抜けでした。
いえ、ボブ・ディランがダメだとか、そんなことを言うつもりは毛頭ないんですけどね。

私は文系人間なので、ノーベル賞は文学賞だけがひたすら楽しみ。

莫言の「紅いコーリャン」が受賞して、春樹さんが落ちた時には、心秘かに「ヤッター!」と叫び(いえ、別に春樹さんが悪いわけではないんですけどね)、
ラテン・アメリカ文学のバルガス・リョサが受賞したときには、たまたま「楽園への道」を読み終えたばかりだったので、とてもうれしくて自慢したりして、
トルコのオルハン・パムクが受賞したときには、「私の名は赤」は長いので、「白い城」を読んでみたけどサッパリわからなかったとか、
結構前だけど、アゴタ・クリストフの「悪童日記」のときは、思ったよりあっさり味だなあと思ったり、

そして、ああ~今年もハルキは駄目だったわね~と職場のみんなで嘆息しつつ、
「1984」が良かった、とか、いや、「ねじまき鳥」だとか、
実はみんな結構読んでいて、ハルキ文学について語り合うわけです。

世界の遠いくにの、まだ知らない文学を
ノーベル賞によって知り、話題にして、読んでみる。
それが、毎年の楽しみだったように思います。

だけど、ボブ・ディラン・・・
団塊世代の先輩方は嬉しいのかな?

なんか、「今年の芥川賞は南こうせつに決まりました!」とか、
「今年の直木賞はかまやつひろしです!」とか、

そういう話のような気がしてならんのですが…

デトロイト美術館展

上野の森美術館で、デトロイト美術館展をやっています。

自動車産業の地として地理の教科書に載っているデトロイトですが、
市が財政破たんしてるんだそうですね。
なんとなんと。
作品持って世界で興業しないと、ですね。

前半は、印象派とポスト印象派で、
目玉はやはりゴッホの自画像ですね。
ゴッホの絵は、あんなに荒いタッチで、どうしてあんなに美しいのでしょうね。
ただ、印象派に関して言えば、西洋美術館の常設の方が見応えがありました。

そして、2階に行くと、一転して、ドイツ表現主義。
ココシュカなどの、どこか人間の心の奥底をえぐるような作品が多くなります。
こうした作品は、ヒトラーが「退廃芸術」と決めつけて、焼き捨てたりしたものですから、
これらは、難を逃れ、残された貴重な作品ということが言えますね。

そして、ヒトラーは、ムッキムキの労働者とか、臀部のどっしりした母の姿ばかりを、
たくましドイツ民族の姿として描かせたのでした。

クラーナハ展 

上野の西洋美術館で、ルーカス・クラーナハの展覧会をやっています。

彼は、美術史の流れの中では、よく顔を出す、北方ルネサンスの代表選手ですが、
ソロの展覧会は初めてなのではないかしら。

ポスターの女性像、男の首を持ってにんまりと微笑む冷たい目。
このテの作品を見ると、かなり妖しげな絵描きなのではないかと思うけど、
肖像画などはそうでもないみたい。

時は16世紀、ちょうど宗教改革が始まった頃。
クラーナハが描いたのは、
世界史の教科書に出てくるマルティン・ルター、
ルターをかくまったザクセン選帝侯フリードリヒ、
ルターを攻撃した皇帝カール5世。

世界史の勉強していたら楽しいですよ。
肖像画の背景の水色が美しい。

西洋美術館にしては珍しく、
現代美術の展示もあり、
森村泰昌がクラーナハ描く女性に扮していたりして、

見応え十分、
面白かったです。
いい展覧会でした。


蘭渓道隆の中から蘭渓道隆華麗に登場!!~東博の「禅」展

上野の東京国立博物館で、「禅―心を形に―」という展覧会をやっていて、見に行く機会がありました。

「あ~また白隠とか仙厓とかの禅画でしょ~、つまらん」

と思って行ったら、これが大間違いでした。
(あのポスター、ちょっとそういう誤解を生むのよね)

京都の名だたる禅宗寺院の国宝級の寺宝が目白押し!
室町時代の五山文化の後をたどることができます。

そして、最後は狩野元信、探幽などの素晴らしく美しい黄金の障壁画。
長谷川等伯の水墨の障壁画。
南禅寺の水飲み虎や、相国寺のテナガザルなど、
楽しい楽しい障壁画、華やかな桃山文化でした。

さて、そんな展覧会の中でも、いちばんの見どころだと思うのは、
鎌倉建長寺の開祖、蘭渓道隆の木像(頂相彫刻)です。

鎌倉彫刻らしいリアルな高僧の肖像。
痩せて、
飄々とした力の抜け方、
しかし、繊細そうな表情も浮かべ、
眼が鋭い光を放つ、
生けるがごとき表情です。

初めてみる気がしました。
へえ、こんな像あったんだ、と驚きました。なんでこれまで知らなかったんだろう。

そうしたら、ずっと以前に開催された展覧会「鎌倉ー禅の源流」で出品されていたそうなんです。
それにしては、初めて見たきがするけど、はて?

と思ったら、それは、
この像はこれまでこってりと漆が塗ってあったのだそうです。
以前の「鎌倉―禅の源流」展に出品されたときには、漆が塗られたまんまだったのです。

平成26、27年(っていつだ?西暦に直すの面倒…)の修理で、漆をはがしたところ、
中から、鎌倉時代に造られたオリジナルの蘭渓道隆像が出てきたということなんです。

蘭渓道隆は、四川の方で生まれた宋僧。
日本にわたることを志し、ついに渡航に成功しました。
ただ、本当のところは、元の侵攻を恐れて、半ば難民のようにして、日本にやってきたのだと思います。

玉眼は虹彩が描かれていて、鋭い光を放っています。

確か漱石の『夢十夜』には、運慶が、木の中から仏を彫りだすのは、既に木の中には仏の形があって、それを彫りだすに過ぎないと言う話があったけど、
蘭渓道隆の中から蘭渓道隆、ですね。

キチムシ16  手塚治虫文化祭

いま、吉祥寺で、手塚治虫をオマージュして、アーティストたちがそれぞれグッズやTシャツのデザインを手掛けて、
展示即売するイベントをやっています。
手塚治虫のお嬢さんの手塚るみ子さんがプロデュースされたイベントだということです。

今日は日曜日だったので、行ってみました。
最初の日は、ギャラリーのある建物の周りにぐるり列ができる程の人だかりになったそうですが、
今日はそこそこ身動きできる位でした(汗)

Tシャツの中には、テルマエ・ロマエの主人公がベレー帽と眼鏡をつけたものとか、無理でしょうってのもあって可笑しい。

非売品の火の鳥のオブジェがなかなか良かったです。
手塚治虫の描く妙にぬらっと流線型の動物たちを写したTシャツがとてもかわいい。

でも、私が最も心惹かれた素敵な作品は、光り輝いて、会場のシンボル的な、火の鳥の刺繍作品。
吉元れい花さんという刺繍アーティストの作品だそうです。
そのお嬢さんだそうですが、エ☆ミリー吉元による、牡蠣に真珠のブローチが美しくもぶっとんでいました。これは、会場の中でもみずみずしくて、いかにも若いアーティストの作品と言う感じがしました。

結局、私が買ったのは、モンキー・パンチがリボンの騎士を描いたレアなイラスト付きの絵ハガキ。
なんと、不二子(原作)化したサファイアが奇妙でおもろい。

ところで、会場にて、手塚治虫のキャラクターで誰が好きですか?と聞かれたのですが、
う~んそうだなあ、
そう言えば、手塚作品にお気に入りのキャラクターって特にいませんでした。

私が、手塚治虫を好きなのは、そのストーリーゆえでした。
そうか、だからTシャツとか、あんまり買う気にならないんだなあ。

ちなみに、私がいちばん好きな手塚作品は、
『アドルフに告ぐ』
です。
あともちろん、『火の鳥』も驚嘆するばかりです。









11月3日(木)から9日(水)まで。
吉祥寺のリペストギャラリー創にて。